**Cコード生成に関する考察**

- **なぜCを生成するのか?**  
  * ポータブルで効率的な低レベルコードが得られるため、組み込みシステムや性能重視モジュールに最適です。

- **ツールと手法**  
  - *コードジェネレーター*(例:ANTLR, YACC)を使ってパーサを生成します。  
  - Cへコンパイルされる *ドメイン固有言語* を設計します。  
  - Jinja2、Mako 等の *テンプレートエンジン* による定型コード生成も活用できます。

- **重要な留意点**  
  - **保守性**:生成されたコードを読みやすく保つか、ビルドプロセスを明確にします。  
  - **デバッグ性**:ソース定義へのマッピングコメントを入れておくと便利です。  
  - **ビルド統合**:makefileのルールやCIパイプラインで再生成を自動化します。

- **よくある落とし穴**  
  - 過剰設計:不要な抽象化は性能低下につながります。  
  - 生成ファイルのバージョン管理不足;代わりに需要時に生成する仕組みを導入します。

- **ベストプラクティス**  
  - ジェネレーター自体は別リポジトリで管理します。  
  - 入力言語やスキーマのドキュメントを徹底的に整備します。  
  - 出力を決定論的に保ち、差分比較とレビューが容易になるよう努めます。

2026/02/09 22:54

**Cコード生成に関する考察** - **なぜCを生成するのか?** * ポータブルで効率的な低レベルコードが得られるため、組み込みシステムや性能重視モジュールに最適です。 - **ツールと手法** - *コードジェネレーター*(例:ANTLR, YACC)を使ってパーサを生成します。 - Cへコンパイルされる *ドメイン固有言語* を設計します。 - Jinja2、Mako 等の *テンプレートエンジン* による定型コード生成も活用できます。 - **重要な留意点** - **保守性**:生成されたコードを読みやすく保つか、ビルドプロセスを明確にします。 - **デバッグ性**:ソース定義へのマッピングコメントを入れておくと便利です。 - **ビルド統合**:makefileのルールやCIパイプラインで再生成を自動化します。 - **よくある落とし穴** - 過剰設計:不要な抽象化は性能低下につながります。 - 生成ファイルのバージョン管理不足;代わりに需要時に生成する仕組みを導入します。 - **ベストプラクティス** - ジェネレーター自体は別リポジトリで管理します。 - 入力言語やスキーマのドキュメントを徹底的に整備します。 - 出力を決定論的に保ち、差分比較とレビューが容易になるよう努めます。

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要約

Japanese Translation:

Summary

この記事では、WebAssembly コンパイラがいくつかの低レベル技術を活用して効率的で型安全な C コードを生成できる方法を示しています。

  1. 静的インラインヘルパー
    __attribute__((always_inline))
    )は抽象化オーバーヘッドを除去し、不要な構造体コピーを防ぎます。また、Sys‑V x64 ABI のボトルネック(構造体返却時に使用できる GPR が 2 つしかない問題)も回避します。
  2. 明示的変換関数(例:
    u8_to_u32
    s16_to_s32
    )は暗黙の整数昇格や境界エラーを防ぎ、C 翻訳時に安全性を確保します。
  3. 単一メンバ構造体
    struct gc_ref
    struct gc_edge
    )はガベージコレクション環境で生ポインタまたは整数の型安全性を強制します。
  4. ネストされた構造体ポインタサブタイプ
    anyref → eqref → i31ref → arrayref → structref
    )は、コンパイル時に WebAssembly 参照型をキャプチャします。
  5. 非アラインメモリアクセス
    memcpy
    を用いて処理し、危険なキャストの代わりにコンパイラが正しい非アラインロードを発行できるようにします。
  6. 手動レジスタ割当戦略 は初期引数をレジスタで渡し、残余はグローバル変数へスリップさせます。これにより、多くのパラメータや複数戻り値を持つ関数でも信頼性の高いタイルコールが実現します。
  7. 生成された C コードは GCC/Clang の命令選択とレジスタ割当の恩恵を受け、ローカルで最適化され、既存の C ランタイムに容易にリンクできます。

欠点

  • スタック制御機構がない(スタックサイズを決定できず、区切られた継続を実装できません)。
  • コンパイラサポートなしではゼロコスト例外を支援しにくい。
  • ソースレベルのデバッグは問題であり、残余化された C コードに DWARF を埋め込むことは容易ではありません。

Rust との比較

Rust はライフタイムと成熟した型システムを提供しますが、タイルコールサポートが不十分でコンパイル時間が長く、明示的なライフタイム注釈のない言語には適さない場合があります。C ベースの方法はそのような状況で Rust を補完または置き換えることができます。

今後の課題

スタック管理の改善、ゼロコスト例外処理の追加、およびデバッグサポートの強化が次なるステップとして考えられます。

このアプローチは、WebAssembly をネイティブバイナリにコンパイルする開発者に対して高性能と最小限のランタイムオーバーヘッドを提供しますが、より広範な企業採用には追加ツールや言語サポートが必要となる可能性があります。

本文

コンパイラでCを生成するための主な実践法


1. マクロではなく
static inline
関数を使う

  • マクロはトークン結合や名前生成にのみ適している。
  • インライン関数なら性能低下がゼロになる(
    __attribute__((always_inline))
    を付与)。
  • 例:
#define static_inline \
    static inline __attribute__((always_inline))

struct memory { uintptr_t base; uint64_t size; };
struct access  { uint32_t addr; uint32_t len; };

static_inline void *write_ptr(struct memory m, struct access a) {
    BOUNDS_CHECK(m, a);
    char *base = __builtin_assume_aligned((char *)m.base_addr, 4096);
    return (void *)(base + a.addr);
}
  • 境界チェックを省けば、
    size
    len
    は確保の必要がない。

2. 暗黙的な整数変換を避ける

  • Cは小さい符号無し型を符号付き
    int
    に昇格させるため、微妙なバグを招く。
  • 明示的にキャストするヘルパー関数を作る:
static_inline uint32_t u8_to_u32(uint8_t x) { return (uint32_t)x; }
static_inline int32_t s16_to_s32(int16_t x) { return (int32_t)x; }
  • -Wconversion
    を付けてコンパイルすれば、偶発的なキャストを検出できる。

3. 生ポインタ・整数に意図を持たせる

  • 単一メンバ構造体で型に意味を与える:
struct gc_ref  { uintptr_t value; };
struct gc_edge { uintptr_t value; };
  • アドレスを単なる整数として誤用するのを防ぎ、生成コードを読みやすくする。

4. ポインタサブタイプで型情報を保持

  • ソース言語の参照型階層に合わせた構造体を定義:
typedef struct anyref   { uintptr_t value; } anyref;
typedef struct eqref    { anyref p; }          eqref;
typedef struct i31ref   { eqref  p; }          i31ref;
typedef struct arrayref { eqref  p; }          arrayref;
typedef struct structref{ eqref  p; }          structref;
  • WebAssembly の型例:
typedef struct type_0ref { structref p; } type_0ref;

static_inline void type_0_set_field_0(type_0ref obj, double val) {
    /* ... */
}
  • static inline
    キャストで参照型と具体構造体間の安全な変換を実現。

5. アラインされていないロードは
memcpy
を使う

  • WebAssembly の線形メモリはアラインされていないことがある:
int32_t i32;
memcpy(&i32, addr, sizeof(int32_t));
  • コンパイラは可能ならアラインされていないロードを生成するので、余計なコードは不要。

6. ABI とターミナルコールのために手動でレジスタ割り当て

  • GCC の
    __attribute__((musttail))
    は便利だが、多引数関数には不十分。
  • すべてのパラメータをレジスタに入れる:
    • 最初の n 個は通常通り渡す。
    • 残りはグローバル変数に保存し、呼び出される側がプロローグで読み取る。
  • 複数戻り値の場合:
    • “余分”結果を保持するグローバルを割り当てる。
    • エピローグで格納し、呼び出し後に再ロード。

7. C を生成するメリット

  • GCC/Clang の成熟した命令選択・レジスタ割り当て・最適化機能を活用できる。
  • 既存の C ランタイム関数とリンクでき、必要に応じてインライン化も可能。

8. 欠点

  • スタック制御:スタックサイズの保証や拡張ができず、デリミテッド・コンティニュエーションは実装不可。
  • サイドテーブル & ゼロコスト例外:コンパイラ側でのサポートがないため実装が難しい。
  • デバッグ:残余化されたコードに DWARF を埋め込むことは容易ではない。

9. Rust を選ばない理由

  • ライフタイムはフロントエンドで処理できる。ソース言語に明示的なライフタイムがあるなら、Rust はそれを強制できる。
  • ライフタイムが無ければ、Rust は暗黙変換が少ない一方でターミナルコールのサポートが弱く、コンパイル時間も長い。総合するとほぼ同等。

結論

C を生成することは実務的な選択肢です。強力なコンパイラ最適化を活かしつつ、コード生成を管理可能に保てます。上記のパターン(

static inline
関数、明示型ラッパー、慎重なレジスタ割り当て)を採用すれば、クリーンで効率的、さらに保守性の高い C コードを作成できます。ハッキングを楽しんでください!

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