
2026/09/02 5:46
スマートフォンの接触により動作する電池不要の LED を搭載した回路基板製の名刺
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要約▶
Japanese Translation:
最も大きな成果は、スマートフォン NFC 電場から収集されたエネルギーのみで動作する発光するサワースラフ(Charizard)グラフィックを備えたバッテリーレスの名刺の実現です。この革新は、内部電源源が必要とされずとも受動的なオブジェクトが生きたインタラクティブデバイスとして機能できることを実証しています。本プロジェクトでは NXP NTAG I²C Plus チップを利用してスマートフォンの 13.56 MHz 無線周波数から電力を捕獲し、従来型のバッテリーの使用を不要とし、10 枚の基板あたりの製造コストを約 75 ドルまで削減しています。従来の試みではキャリア制約やサポートされていないブランクチップのために失敗しましたが、この設計は KiCad の Python API を使用して回路パターンを自動的に生成します。カードの前面には印刷された偽のチップ足形が配置され、背面は共振計算と実際のテストポイントを含んだコンポーネントデータシートの模倣となっています。現在ではデータを記録するために十分な電力転送を確保するため、カードをスマートフォンに強く押し当てて保持する必要があります。これはカスタム iOS アプリが標準的な NDEF フォーマットアプリに依存せず、チップに対して直接生ネイティブコマンドを送信するからであり、iPhone 上で失敗した標準的なアプローチとは異なります。現在データ記録には同様の緊密な結合が求められますが、将来的にはこれらのカップリング制約の解消を目指しています。結局のところ、このアプローチはカスタムコマンドを iOS デバイス上で直接受け入れる魅力的なマーケティング素材を作成するための費用対効果の高い方法を提示し、企業が顧客と対話する方法を単純で無線的な技術を通じて再定義します。
本文
電波だけで点灯するバッテリーレスビジネスクードの制作と NFC チップとの戦い
回路基盤製のビジネスクードを製作しました。このカードは NFC チップとバッテリーレス LEDを搭載しており、スマホの電波のみで動作します。 ハードウェア自体は正常に動作しましたが、当初「通常の iPhone NFC アプリでは空の状態の NTAG I²C Plus チップをフォーマットできませんでした」という問題が発生しました。そこで、チップネイティブのコマンドを直接送信する軽量な Core NFC アプリ を作成し、ようやく以下の挙動を実現できました。
- タップするとウェブサイト (
) が開くkevintang.xyz - 小火竜(チャールズ)のイラストの尻尾が炎上する(LED が点灯する)
回路基盤そのものとなるカードのデザイン
単なる紙ではなく、光沢のある黒い回路基板そのものをビジネス用カードとして制作しました。 クレジットカードサイズにゴールドのグラフィックと名前を刻み、タップするまで目に見えなかった 2 つの魔法のような要素を実装しています。
1. NFC チップ(通信機能)
- 動作原理: Contactless 決済や交通系 IC カードと同じ技術を採用し、13.56MHzで動作します。
- アンテナ設計: 基板の縁に沿って銅線を七巻き螺旋状に巻いた構造です。
- 困難な調整: アンテナを適切な周波数で共鳴させるのが最も手間のかかった部分でした。
2. バッテリーレス LED(出力機能)
- 外観: 小火竜(Charizard)のイラストが印刷され、尻尾先端に赤い LED が配置されています。
- 駆動源: 電池や配線は一切不使用。スマホから放たれる電波エネルギーのみで LED は点灯します。
電力を借りて動く物体
NFC タップにより何が起きているのか、その原理について解説します。
エネルギーハーベスティング(電力借用)
- NFC 対応のスマホは、タグを検出するだけでなく、バッテリーのないタグを動作させるために強力な電界をブロードキャストします。
- 発電出力: NXP のデータシートでは、エネルギーハーベスティングにより5mA で約 2Vの電力発生が可能と報告されています [2]。
- 利用可能性: この量自体は少なければ、以下の動作が可能です。
- LED の点灯
- 省エネ型センサーの瞬き
- マイクロコントローラーを数分の一秒間だけ起動
受動的通信の仕組み
- タグ自体が信号を送信するのではなく、スマホからの電界を吸収する量を瞬間的に変化させ、その変動を検出します。
- スマホはこの微弱な「引っ張り力」を感じ取り、0 と 1 に解釈して読み取ります。
- 比喩: 鏡は光を発せず光源だけを反射するように、受動型 NFC タグも独自の電波を発さず、スマホからのエネルギーを反射・変換するだけです。全てのエネルギーをスマホが供給し、カードはその反射内容(データ)のみを決定します。
認識の転換
- 従来の捉え方:「スマホに何かをさせる手段」(リンク開示、決済など)。
- 今回のプロジェクト:タップすることで動作するのはカードの方。スマホの電界が届く半秒間、無機質な基板が「生きたデバイス」として蘇ります。
- 本質:「タグを読み取っている」のではなく、**「タグに電力を供給している」**という関係性です。
カードはプログラムである
マウス操作でトレースを引きずるのが退屈な方々にもおすすめの、完全コード化された PCB デザインです。
コード生成による設計
- ツール: KiCad(無料の PCB デザインツール)を使用し、Python APIによって基板全体をスクリプトで生成しています。
- 制御要素: 全てのトレース、アンテナコイルの巻き数、文字位置などが計算により自動決定されます。
- 利点: コイルを追加したい場合など、パラメータを変更して再実行するだけで再現可能です。ハードウェア初心者でも安心な設計です。
エンジニア向けの仕掛け(ジョーク)
カードを裏返すと、以下のようなエンジニアリング的な要素が隠されています。
- レイアウト: コンポーネントのデータシートのように配置され、各パーツに付随する dense な参考文献書類を完全に再現しています。
- シルクスクリーン: アンテナの共鳴計算式を直接記載。気になったエンジニアがマルチメータでプローブして数値を確認できる実在のテストポイントを搭載。
- 偽のチップ: 前面には金色のコンタクトパッド(イラスト)があり、下には何もない状態で「8 パッドフットプリント」が印刷されています。実際の NFC チップは裏面に隠されており、見かけ上のチップはデコイです。
ファブリケーションとコスト
- サービス: JLCPCB へファイルを送付し、約 75 ドルで 10 枚分の製造・チップ搭載・LED ハンダ付けが完了します [4]。
- 結果: 美しい夕食代程度の費用で、青い箱に 10 枚の回路基板が郵送されます。
書き込めないという問題と解決策
最初に製作したカードでは「リンクが開かない」という重大な問題が発生しました。
問題発生:フォーマットできない
- 現象: LED が点灯し電力供給は正常ですが、URL の読み出しが失敗します。
- 原因: 空の NTAG I²C Plus チップに NDEF フォーミング(URL レコードの場所を示す情報)が必要です。
- Apple NFC Tools の反応: 「NFC タグがサポートされていません」というエラーが表示され、iOS の高レベルな NDEF パスでのフォーマット処理が行われませんでした [5]。
Android 端末でも失敗
- Android の NFC スタックは柔軟ですが、持っていた格安プリペイド制 Android でさえ NFC ラジオ機能を搭載しておらず、文字通り「NFC が動作しない端末」でした。
- 結果として、「書き込めない状況」が続きました。
解決策:独自のキーを作成する
- 洞察: 失敗の原因はチップの互換性ではなく、アプリの高レベルな NDEF チェックがブロックしていたことに気づきました。
- 対応策: Apple の Core NFC フレームワークのローカルモード機能を利用し、iOS が解釈する代わりにタグを直接操作するネイティブコマンド送信を行いました。
- 実装内容(約 60 行のコード):
- NFC セッション開始
- ヘッダー:「これは URL タグである」と宣言
- メモリへ一バイトずつアドレスとデータを渡すコマンドを順次実行
これでようやく全てのカードでタップ時にサイトが開く、小火竜が炎上する動作が正常に実装されました。
注意点: 書き込み中はカードをスマホの上部エッジに密着させて保持しないと失敗します。
- 理由:LED が点灯しているためエネルギー消費が大きく、カップリングが強固になるからです。
- 改善案:次期リビジョンでは LED の輝度を下げて範囲を広げることを検討中。
最後に:ハードウェアとソフトウェアの境界線
このプロジェクトを通じて再認識したことは、ハードウェアプロジェクトにおいて最も困難なのは往々にして最後のソフトウェア部分(「物体が物理的に存在する」と「物体が動作する」の間の 1 インチ)です。
- 成果: アンテナ計算は成功しましたが、アプリとの互換性チェックに苦戦しました。
- 魅力: 独立した電源を持ち歩かずに、スマホで触れ合う瞬間だけ活きる「バッテリーレスの物体」という新たなカテゴリーを実験できました。この「借りた電力」への依存こそが、今後のプロジェクトの種となります。
もし会って黒いカードを手渡したら、タップしてみてください。そして小火竜の尻尾を凝視して炎上が見られるよう願っています。
私の脳からあなたの受信トレイへ接続する
参考文献
- [1] 近距離通信(NFC は 13.56MHz で動作) — Wikipedia
- [2] NT3H2111/NT3H2211 NTAG I²C plus データシート — NXP Semiconductor(エネルギーハーベスティング出力、典型的に約 5mA)
- [3] U.S. Bank Shopper Cash Rewards Visa のローンチ — Business Wire(接触型決済中に照らす LED カード)
- [4] JLCPCB — PCB ファブリケーションおよび組立サービス
- [5] sendMiFareCommand — Apple Developer ドキュメント(NFC タグへのネイティブコマンド送信)