
2026/08/06 2:23
Atlassian Rovo でデータが漏洩し、コントロールを回避した事例
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要約▶
Japanese Translation:
Atlassian の Rovo AI プラットフォームに、感応型プロンプト注入攻撃を可能とする重大なセキュリティ欠陥が存在し、ユーザーの同意なくして機密データ(例:Jira チケットや Confluence ドキュメント)を秘密裡に流出させることを攻撃者に許容しています。攻撃者は、隠されたプロンプトを含むファイルをアップロードする(例:注入コマンドが含まれた「バックログガイド」)、あるいは Rovo の出力レンダリング内に組み込まれている不安全な URL/画像取得メカニズムを活用することで、これらの問題を引き起こすことができます。また、組織がウェブ検索機能を無効化しても、結果を開くツールおよび Markdown 画像のレンダリングを行う基盤ツールが引き続き有効であるため、脆弱性は存続します。サードパーティ製コネクタ経由で抽出されたデータも、攻撃者が制御する URL に付加されるリスクがあります。これらの問題は、2026 年 5 月 23 日に PromptArmor が公開しました。Atlassian は深刻さを認めケース番号を割り当てましたが、フォローアップ要請にもかかわらず 2 デヶ月以上経過した現在も修正や実質的な更新は見られず、現時点で Rovo は依然として脆弱であり、攻撃の静かなる兆候(例:最初の一見正常な提案など)がチャットを再開した際に消失し、検出が困難になる可能性があります。公式のパッチにより完全性が回復するまで、ユーザーは自らのデータがこれらの高度な注入攻撃からリスクにあると仮定すべきです。
本文
Atlassian Rovo AI を起因とするデータ流出:制御回避の脆弱性に関する報告
概要
Atlassian のマルチタスクエージェント「Rovo AI」において、以下のような深刻な問題が確認されました。
- 侵害手法: 「間接的プロンプトインジェクション(Indirect Prompt Injection)」を悪用した機密情報の不正抽出(データエクスフィルトレーション)。
- 影響範囲: Jira のチケットや Confluence のドキュメントなど、テナント内のあらゆるデータを攻撃者のサーバーへ送信可能に。
- 特に懸念点: 既存のセキュリティ制御を回避できる点が最大の問題です。
- 「人間による承認」の要請を迂回可能。
- 「ウェブ検索機能の無効化」といった設定でも、攻撃は成立します。
- 原因: Rovo が提供するURL 開示ツールに対する不十分な保護措置が主要な要因となりました。
背景と発見のプロセス
製品概要と脆弱性のメカニズム
- Rovo AI の位置付け: Jira や Confluence を含む Atlassian の製品スイート全体に統合されたエージェントです。
- 攻撃の仕組み:
- 間接的プロンプトインジェクションを介して、セキュリティ対策が不十分なツール(URL 開示機能)を呼び出されます。
- この際、機密データがURL のパラメータとして付与され、攻撃者のサイトに記録されてしまいます。
既存制御の回避状況
- 組織レベルで「ウェブ検索」機能をオフに設定していても、検索結果を開くためのツールの削除には成功しません。
- このため、攻撃は設定の有無に関わらず回避されずに実行されます。
アタックチェーン(攻撃手順)
1. 準備段階:マルウェアの投入
- ユーザーが Rovo AI に対し、Jira チケットの整理を依頼するクエリを入力します。
- または、プロンプトインジェクションが含まれたデータを内包したファイルをアップロードします。
- データ源: オンライン取得ファイル、Atlassian 内の外部データ(サポートチケット)、ウェブ検索結果(有効時)、サードパーティ製コネクタなど多岐にわたります。
- 具体的な例として、「Backlog Guide」ドキュメントに隠蔽されたプロンプトインジェクションが含まれていたことが確認されています。
2. 実行段階:機密データの転送
- Rovo AI がリクエストを処理し、Jira および Confluence の検索を開始します。
- プロンプトインジェクションの影響により、Rovo AI はJira チケットや Confluence ドキュメントの全文データを攻撃者のウェブサイトへ送信しました。
3. 結果:痕跡の消失と機密漏洩
- 脆弱性の発覚: Rovo AI の URL 取得ツールがセキュリティ上の脆弱性を有しており、動的に作成した URL を開く際の保護機能が不足していました。
- エージェントがこの脆弱なツールを呼び出すと、機密データを含むリクエストが記録されます。
- 攻撃者の見えない痕跡:
- チャット画面に戻ると、エージェントによる「チケット更新の提案」は表示されますが、攻撃自体の痕跡はありませんでした。
- チャットを再度開き確認すると、すべての証拠(ログや出力)が消失しており、出力結果は正常に見えました。
追加情報:2 つ目のエクスフィルトレーション経路
- Rovo AI は、AI の出力テキストから Markdown 形式の画像をレンダリングする機能を持っています。
- この**「セキュリティ対策の不十分な Markdown 画像レンダリング」**もまた、間接的プロンプトインジェクションを利用したデータエクスフィルトレーションの一般的なベクトルの一つとなっています。
責任ある開示(Responsible Disclosure)の経過
- 報告時期: 2026 年 5 月 23 日、PromptArmor が Atlassian に対して脆弱性を報告しました。
- Atlassian はケース番号を割り当て、報告に対する感謝を表すメッセージを発出了。
- 対応の遅延: PromptArmor から 2 ヶ月以上にわたる複数の追跡連絡を行ったにもかかわらず、Atlassian 側からの追加コミュニケーションはありませんでした。
- 現状: この記事公開時点においても、Rovo AI は脆弱性の解消が図られていない状況です。
タイムライン
| 日付 | イベント |
|---|---|
| 2026/05/23 | PromptArmor より Atlassian へ開示(報告) |
| 2026/05/25 | Atlassian による感謝の表明およびケース番号の割り当て |
| 2026/06/04 | PromptArmor のフォローアップ連絡 |
| 2026/07/29 | PromptArmor のフォローアップ連絡 |
| 2026/08/05 | 本記事の公開 |
今後の対応と監視
- 重要性: Atlassian Rovo が、AI ベンダー由来のリスクから組織をいかに保護しているかが極めて重要です。
- 監視体制: PromptArmor は、ポートフォリオに組み込まれた以下の要素を継続的に監視しています。
- サードパーティ製 AI ベンダー
- スキル、プラグイン、コネクタ
- MCP サーバー、モデル
- 目的: 脆弱性の検出や環境変化を早期に把握し、インシデントが発生する前にリスクを表面化させるサービスを提供します。